運動器エコー+タブレットPCの革新的活用 静と動の評価
本セミナーの目的は,リハビリテーションにおけるコンパクト,ワイヤレス超音波画像診断装置について,臨床での活用の可能性について検討するものである。
私達の臨床に最も必要なものは何か。答えの一つとしては,解剖学の知識と触診技術を最大限発揮することである。これは目の前の課題を解決するために,関節可動域と筋力発揮を中心に基本的動作を改善することにつながる。
臨床において,解剖学の知識は,対象となる組織の状態(静態),動くべき部位(動態),その方向を定義する根拠となり,触診技術は評価によって特定された部位を適切な方向へ誘導することを可能にする。これら2つの要素を効果的な臨床につなげる可能性があるのが,超音波画像診断装置である。超音波画像診断装置の特徴は,リアルタイムに静態,動態を評価できる点にあり,これにより,従来の解剖学の知識に浅層,深層が加わり立体的な理解が深まる。さらに,経験年数など習熟度の差とされてきた「対象組織に触れる」,「関節運動を誘導する」ことができているかもリアルタイムに観察できる。まとめると,超音波画像診断装置の活用は,解剖学的知識をもとに生体内部を立体的に表現し,かつ,療法士の運動が適切に誘導することを確認できる。
他の特徴として,MRIやX線検査など他の評価機器に比較し可搬性に優れ,この強みを特化したコンパクトな機器が開発されている。この利点は,運動中の生体とプローブの適合性を高め,様々な肢位での静と動の評価を可能にする。さらに,ワイヤレス機能は,医師と理学療法士,作業療法士など他職種共有の可能性を秘めている。
ランチョンセミナーでは,超音波画像診断装置の最大の特徴である可搬性に特化したデバイスを実際に操作し,臨床課題の解決,そして未来の評価方法へつながる方法を探求する。
- 略歴
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2006年 大阪医専 理学療法学科 卒業 2006年 (有)ほっとリハビリシステムズ リハビリテーション事業部 2008年 医療法人社団シロアム会 こたけ整形外科クリニック 2019年 立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修了 - 資格,学会,院外活動
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理学療法士
認定理学療法士(地域理学療法)
日本理学療法士協会会員
研究分野:加齢にともなう筋形態,機能変化の検討
著書:運動器エコー セラピストが臨床現場で活用するために(電子ジャーナル)